日本式=農耕方式サッカー

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昨日のFIFAワールドカップ第2戦、“日本対セネガル”は日本式のサッカーというものが明確になったゲームであった。

2-2の引き分けで終了し、「勝てた試合だった」「引き分けは上出来だ!」など人それぞれ思いはあるだろうが、私個人の感想は良くも悪くも日本らしい点の取り方、守り方が出来た試合だったという事だ。

日本にはCロナウドやネイマールのような確実に点を取ってくれるストライカーがいない。

それは今に始まったことではない。カウンター攻撃で独走状態になっても決められないばかりか、ゴール寸前でヒョイっと横の人にパスしてしまうような気の弱さは世界一!

今回はまだそこまで酷いシーンはないにしろ、第1戦のコロンビア戦で一躍脚光を浴び、 “大迫半端ないって”  という流行語まで生んだ大迫は、このセネガル戦ではシュートを外しまくっていた。

彼はFWなのだ!なぜいつもいつも決定的なところであれだけ外せるのか?

これまでの国際試合でもそうだった。(うちは2002年から代表の試合データーはすべて手書きでノートに記録している。)

そんな大迫がなぜ毎度注目を浴び、不動のワントップを維持していられるのか…

それは、彼はFWでありながら、同時にMFであり、DFの仕事までやってのける、ユーティリティプレイヤーであるからにほかならない。

(そう、西野監督が求めるポリバレントな選手というのは大迫のような選手の事なのだろう)

事実、第1戦、2戦とも決定的な場面で大迫が身体を張って相手のシュートを止めている。

何度も言うが彼は本来FWなのだ。

ペナルティエリア内での味方への大迫のパスがゴールにつながった試合(つまりアシスト)もこれまで数えきれないだろう。このような献身的なプレーこそ、彼が日本代表に無くてはならない理由なのだ。

(だからもう彼がシュートを決めなくても、私はTVの前で頭から湯気を出して暴言を吐くのはやめよう)

話はセネガル戦に戻るが、昨日は1戦目に増してチーム全員の息が合ってきたように感じられた。特に2点目の本田のゴールはオッサンパワー炸裂!みんなでもぎ取った1点だった。大迫のクロスをひろった乾が折り返し、岡崎がキーパー前に身体を投げ出し邪魔をして本田にお膳立て、ボールは本田の足元に!あとは蹴るだけだった。

これぞゴールゲッター不在の日本の点の取り方ではないだろうか。

みんなでやって収穫を分かち合う、農耕民族方式サッカーだ!

後の乾の自らイエローカードを貰いに行ってチームの決定的危機を防いだ犠牲の精神も美しかった。昨日の試合は全員が個人ではなくチームのためにできる限りを尽くした試合だった。

私が農耕民族的瞬間の極みだと思ったのは、1-1になっていた前半45分。日本が自陣サイドでセネガルにFKを与えた時のキッカーが蹴る瞬間、日本の8人の横一列に並んだディフェンスラインが一気に上がって、セネガルの5人の選手をオフサイドポジションに置き去りにしたあの時だ!

あの映像が一列に並んで田植えをする昔の日本人と重なってしまったのは私だけだろうか。(笑)(たぶん私だけね)

息の合ったもの同士でなければあのような綺麗なディフェンスラインはできないだろう。

トルシエ監督時代のフラット3を彷彿させるものだったが、昨日のはもっとスゴイ!

あとで知ったが、キャプテン翼のマンガにまさにあのようなシーンが出てくるらしく、海外では「美しすぎたディフェンスライン!まるでキャプテン翼のシーンの再現だ!」と話題になっている様子。あれを私は“美しき田植え戦法”と命名したい。

そう、日本にはストライカーはいないが、みんなでやれば恐くない精神でここ2戦は戦って来れた。この先もし決勝トーナメント進出となったときに、果たしてこれが通用するのかどうかはわからないが、対戦国からすると目には見えない不気味さが日本にはあるんじゃないだろうか?どんな国とも違う、理解不能なサッカーはこのロシアワールドカップを盛り上げる立役者となりえるかもしれない。

昨日のセネガル戦を振り返って、辛口サッカー評論家のセルジオ越後氏は

「何より大迫がシュートを外しまくっていたのは残念だ。セネガル戦は“半端なさ”は全く感じなかった。むしろドイツでゴールが奪えなかった昨シーズン中の“中途半端”な状態に戻ってしまっていたよ。」と嘆いているが、

セルジオさんよ、世界レベルで日本サッカーを語ってもできないものはできないんです。

日本は欧米諸国や南米、アフリカ勢のような身体能力もフィジカルの強さも無い。

協調性を重視した村社会で幼いころからの教育も欧米とは違う。だからゴールゲッターのFWが出てこないうちは日本人にしかできないサッカーをやる以外にない。(もちろん近い将来ゴールゲッターが出てくれば話は別だが)

喜ぶべきか、悲しむべきか、農耕民族の日本人はみんなで成し遂げるとか、みんな仲良くがそもそもDNA的に得意なのだ!

大迫はシュートの決定力は低いけど、確実なポストプレーができて、敵陣のDFを引きづりそしてかき回すことができる。そういうFWをワントップに置いて、2列目以降の原動力でゴールを狙う戦術を徹底するしかないように思う。

ゴール以外の成果で相手に大きなダメージ(負担)を与えられるFWを選んでチームを作る。クリスチアーノロナウドやネイマールとは真逆のFWだ。

ここはひとつ、昨日の試合で見せたような、献身的でかつ皆で攻めて、皆で守る的なオリジナルな農耕方式サッカーを極めるっていうのはどうでしょうかね?