新宮熊野神社カタルシス

ラーメンで有名な福島県喜多方市だが、ラーメンを食べ終えたら、是非その足で新宮熊野神社に行かれるべし!(市の中心地から車で10分ぐらい)
そこに国の重要文化財「長床」という大きな拝殿がある。(拝殿の奥には本殿もある)
平安時代末に建立されたが1611年の大地震によって一度倒壊し、1614年に前の物よりも一回りほど小さいものとなって再建された。それでもかなりの大きさである。
他の有名な拝殿の重要文化財などと比べると、「長床」は派手な装飾は一切なく、地味でかなりシンプルなのだが、ここには訪れた人だけが感じることができる特別なものがある。
それは「気」だ。
こんなことをブログに書くと、やっぱりコイツはちょっとおかしい!(笑)と思われるかもしれないが、本当に感じるのである。
“澄み切った”という表現がぴったりな「気」を!
私はこの場所がとても好きで、喜多方に行けば必ず立ち寄ることに決めている。
そう、私はこの澄み切った「気」を感じたいがために、東京から愛車を走らせるのである。

昨今流行りのパワースポットというのとも違う。どちらかというとパワーをもらうというよりは、浄化される感じのほうが強い。
まあ浄化されればそれがまた新たなパワーになるのだろうけど…

この「長床」で、拝殿以外にみんなに愛されているのが「宝仏殿」にいらっしゃる(廃仏毀釈を免れて残った)とてもハンサムな文殊菩薩様と推定樹齢650年の御神木の大イチョウだ。

どうしても黄葉の時期に行って大イチョウの写真を撮りたくて、今回はじめて神聖なる場所にカメラを持ち込んだ。

拝殿の中から


本当は巫女さんをモデルで頼んでいたのだが、なんと!撮影1週間前にその巫女さんは出禁(神社内出入り禁止!)になっていた。
巫女が神社を出禁になるという話はそうそう聞くものでもなく、いったい何があったのか…いまだに謎は謎のままだ。
私は大イチョウと巫女のコラボショットをどう撮ろうかといろいろと考えて楽しみにしていたのだが、人生は本当に何が起こるかわからない。なんでも起こりえるのだ。巫女だって出禁になる。

そんなわけで、撮影は早朝、誰もいないところでしめやかに行われた。

あいにくの雨でしかもメチャ寒い!
三脚やカメラ機材が冷たすぎて、手が思うように動かない。
身の引き締まる寒さと、雨に濡れたイチョウの黄色と、「長床」が創り出す空間、この特別な時間と空間の中で私は独り何かにずっと守られている感覚の中、写真を撮らせていただいた。

昼になってからはお日様も時より顔をのぞかせた。
その頃私はというと、明け方からの雨の中での撮影で身体が芯から冷え、体力の限界。朝8時には社務所も開き、観光客がぞろぞろとやって来るため、一旦ホテルに戻り仮眠をとっていた。
しかし、よく眠れない。カーテンの外が明るく陽が射してきている気配だ。
晴れ間のイチョウも観たい!寝ている場合ではない!と、起きてまた長床へ。

あまかった…。
観光客が入らない瞬間を狙いながら三脚を構えていたが、この空間を独り占めできていた早朝とは打って変わって、
ウエディングアルバムを撮影するための新郎新婦のロケ隊やら、
ドローンを飛ばしながら動画を撮影しているおじさんやら、旗を持ったガイド付きのツアー団体さんなどが次々とやって来ては、カメラの前を容赦なく横切っていくのだった。
そして数時間が経ったある瞬間、一瞬だけ人が消えた。
撮れたのが下の写真。


柔らかい木漏れ陽が射す大イチョウ。

以下は喜多方の晩秋。

 

ある葱畑

 

蔵と柿の木

 

なんかカワイイ稲藁