JAEA

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日本原子力研究開発機構(以下JAEA)の大洗研究開発センター内で放射性物質が飛散し、

作業員5人が被ばくした事故から2日が経った。

事故当日の会見では「健康に影響が出るほどではないと考えている」との事、作業員の肺から2万2000ベクレルのプルトニウムが検出されているにも関わらずの話。

そして今日、新たな情報で作業員の体内に取り込まれた放射性物質の総量は、36万ベクレルだと推定された。

2日間でこの数値の違いはなんなのか? いかに適当なことを言って、その場しのぎで会見しているのかが伺える。

要するに、JAEAという組織は原子力に関して研究開発は出来ても、その管理は全くできていない組織だということではないのか?

なぜこのニュースに敏感になるのかというと、昨年まで私はJAEAが発行している季刊誌の仕事を受けていたため、東海村本部や今回の事故現場の大洗研究センターは、ある時期頻繁に取材に訪れていた場所であるからだ。

原子炉建屋の中では簡易の防護服やゴム靴、ヘルメットなどを装着して写真を撮っていた。

場所によっては最小限のカメラ機材しか持ち込めず、撮影後は自分自身だけでなく、カメラ機材もすべて線量計で汚染されていないかをチェックされる。
そして、よくTVや映画などで手術前の外科医が手を洗浄するときに、蛇口に触らず(両肘を使って)蛇口を開くシーンがあるが、我々取材陣もまたあれと同様に、どこも触らないように蛇口を肘で回し、念入りに手を洗浄して、やっとその場から放免されるのだ。

そんな緊迫した状況下での仕事はある意味やりがいもあったのだが、やはり一歩間違えば簡単に被ばくしてしまうようなところに出向いていたのかと……やはりこんな事故が起きると心穏やかではいられない。

東海村周辺の原子力関係の施設では想像を超えるほど多くの人が働いており(中には外国からの研究者も)、敷地内に信号機があるほどの広さで、そこはある意味本当に特殊な場所(職場)に見えた。

その一帯で日々原子力の研究がされているわけだが、今回のJAEAだけじゃなくこれまでも原子力関係の事故は大小にかかわらず起きている。今後も絶対起きない!とは誰も断言はできないのは言うまでもない。

みんな福島のことを忘れてしまっているのか、3・11を境に起きてはいけないことが日本で現実に起きてしまったのに、やはり人間とは、見たくないものからは目を背け、聞きたくない事には耳を塞ぐ生き物なのか。

安倍総理はオリンピック招致の時に「福島は完全にコントロールできている」と真顔で言いきった。びっくりポン!である。
日本は世界中のどの国も持っていない最悪のゴミを抱えていることをとりあえず忘れたふりをしてみたのか?

福島の原発事故で出たゴミは普通の原発で出る管理されたゴミとはわけが違う。
原子炉格納容器内はプルトニウムもウランもよくわからない何もかもがぜーんぶ溶けて混ざって、そこはロボットも作動しないぐらい放射線量が高い。
いまだ4号機で何が起きたのかわかる人は誰もいないのだ。わかるのはアメリカ空軍が空から撮った映像の分析で4号機が黒焦げになって核燃料プールが空になっていることだけだ。

その後どうなったのかどなたか知っている人がいたら教えてほしい。
今も高濃度汚染水は毎日100トン流れ続けているのだろうか?
もはやそんなことも全国版のTVで取り上げられることなどは皆無で、辛うじてネットで(取材活動を続けている人から)の情報を得ることができるだけ。

福島の問題は山積みだし、何も解決していない中、高浜原発3号機がこれまた一昨日に再稼働した。
おいおい!って誰もツッコまないどころか、近隣住民はむしろ喜んでいるようだ。原発依存で生計を立てている国民の数は原発の数だけいるわけで、その人たちにしてみれば死活問題だからどうにもならないのだろう。

事故への不安はもちろんあるのだろうけど、不思議なのは「使用済み核燃料」および「高レベル放射性廃棄物」のゆくえに関しては誰もあまり騒がないように思うのはなぜだろう?

日本では使用済み核燃料棒は一時的に国内にある各原発に保管されていて、いまはもうどこの原発もあと数年でいっぱいいっぱいの状態!その量は19000トン!これが今後も毎年1000トンづつ増えていくという。
その使用済み核燃料を青森の六ケ所村というところで処理し、再利用するとされているのだが(すでに45トンのプルトニウム、原爆換算で5000発以上の原爆が作れる量があると言われている)その時に出る廃液が高レベル放射性廃棄物。
その行き場もいまだに確保できていないのだ。
廃液にはウランやプルトニウムの様々な核反応によってできた超ウラン元素や核分裂生成物が含まれ、もとのウラン鉱石と同じ放射能レベルまで低下するには10万年かかると言われている。10万年……(笑)
これらはすべてこの便利な世の中を維持していくためのツケだと思えば済む話なのか?

JAEAは1976年から地層処分技術の研究をしているが、実現に至るには候補地の選定から処分場の閉鎖まで100年かかると公表している。地下300mに埋める計画であるが、日本は地震大国。
地震による地下水の変動などによって地中に埋めたものがどうなるのかなど、様々な研究は今日も続けられている。

原子力や放射線は、医療や工業用品、環境浄化植物のための品種改良など私たちの身近なところで既に多く取り入れられているわけで
その必要性に関しては、JAEAの取材の仕事を通じて個人的には少しだけ考え方は柔軟になったものの、依然として安全性と後処理に関しては疑問ばかり。

あの中で働いている大多数の方々は、未来に向けて懸命に研究を重ね、本気で原子力というものに夢を託している方々だ。

その方々に素人目線から伺いたい!
『原子力とは果たして本当に人間の手に負えるものなのですか?』

写真は大洗研究開発センターの「高温ガス炉の高温ヘリウムガスを取り出す中間熱交換機」(念のため雑誌で使用された写真を再掲)

ちなみに写真は今回の事故とは一切関係ありません。