エジプト Ⅱ

クルーズ船はルクソールを出発し、アスワンに向かう途中のエドフという小さな街に停船。

エドフの街なか

 

船着き場で客を待つ馬車群
(なんとなく大昔からの風景のように見えた)

 

そこからボロボロの観光馬車に乗る。車体もボロボロだが、馬もボロボロである。炎天下、水もろくに与えられてない様子で、馬はガリガリにやせ細り、鞭で叩かれながら目的地のホルス神殿と船着き場を往復する。

ほぼ動物虐待に近いと感じたが、残念ながらニンジンの1本も持ち合わせていない通りすがりの一観光客にできることは何もない。

特に自分が乗ったのは、ロバと見間違えるほどの小柄な痩せこけた馬の馬車だった。

(即刻ロバ子と命名)

ロバ子は先頭でスタートしたはずが、後ろからやって来る馬たちにどんどん追い抜かれ、その度に馬使いのオヤジに力いっぱい鞭で叩かれる。叩かれても体力マックスで走っているのだからそれ以上早くなるものでもないのに、とりあえず叩かれる。

この不条理をロバ子はどうとらえているのか。人事(この場合は馬事か)を尽くして天命を待つしかないのか。

ロバ子よ、適当に走れ!そしていつか脱走してくれ!

 

 

ロバ子と馬使いのシルエット

 

ロバ子、後ろ姿

<ホルス神殿>

プトレマイオス3世が造り始め、プトレマイオス12世(クレオパトラの父)が完成させた神殿である。サラッと書いたが、180年の年月がかかっている。

ガイドのムハンマドによると、この神殿はエジプト内の神殿建築の中で最も状態が良く保たれている神殿だそうだ。

とにかくここもデカい!なんでエジプトの建造物はこうもいちいちデカいのだ。デカいまま、今もちゃんと原型を残しているって凄い!

そしてここでもやはりレリーフは美しかった。すごいセンスである。

 

 

 

第一列柱室の柱、天井部分

<コム・オンボ神殿>

ホルス神とセベク神が祀られている神殿。

神殿入り口は二つに分かれており、下記の写真の左側がホルス神(ハヤブサの頭を持つ神様)、右側がセベ神(ワニの頭を持つ神様)だ。

この神殿は他の神殿に比べるとわりとコンパクトにまとまっている。比較的新しい神殿だそうだ。

正面でカメラを構えていたはずが、大柄な他国の団体にドンドン斜めに押しだされ、結果こんな角度で撮ることになってしまった。トホホ。
(“当時は座って出産をしていました”と、よその国のガイドが話しているのを聴き耳立てて聞きながら…)

 

このレリーフには針や糸、メスなどの手術道具が描かれている。

我らのツアーガイドのムハンマドは、“すでにこの時代で外科的処置が施されていたことを意味しています。“と、口調も誇らしげだ。

日本じゃまだ縄文時代か?

 5日目、イシス神殿(人物がらみの写真しか撮っていなかったため、肖像権を考慮し割愛。)そして、アスワンと言えば泣く子も黙るアブ・シンベル大神殿だが、残念ながらデジタル一眼レフで撮ったものがない!アブ・シンベルではすべて銀塩モノクロフィルムで撮影した。よって、デジタルで存在しているのはスマホで撮った自分も写っているふざけた楽しい写真ばかりなので、残念ながら当然ここには掲載できない。いつか真面目にモノクロプリントを焼いてデジタル化したものを載せたいと思う。

旅も終盤…クルーズ船も最終日だ。

 

この日はカクテルパーティ!かなり甘そうに見えるけどそれほどじゃなく、冷たくて美味しかった。

今回の旅は、お一人様参加者だけを集めた少人数のツアーだった。

船の中では、同ツアー客のお誕生日を祝ったり、ベリーダンスショーがあったり、ガラべイヤという民族衣装を着て踊りまくるパーティがあったりで、思えば毎晩なにかしらのイベントやパーティーが催されていた。

おかげで個人の旅行ではとうてい体験できない楽しい時間を過ごすことができた。一人じゃ絶対に行かなそうな場所にも行くことができたし、毎食同じウェイター達が付く食事の時間も楽しかった。

どうやらエジプトの人って、くだらない冗談や子供じみたいたずらで人を笑わせるのが好きなようで、気がつけば毎回その冗談に乗っかってあげるのが日課となり、一日の始まりと終わりに彼らの顔を見ないとなにか落ち着かない気持ちにさえなっていた。(笑)(めんどくさいと言えばそれまでだけど、あの他愛ないボケとツッコミは彼らなりのホスピタリティだったのだと思う。別れが辛い…)

明日は夜中の3時に下船し、空路でカイロへ

いよいよこの旅のクライマックス!エジプトのハイライト、ギザのピラミッドへ…クフ王様、待っとってください!

to be continued…