招き猫電車

 

先日、豪徳寺(山下)の世田谷線ホームで三軒茶屋に向かう電車を待っていたら、下高井戸方面から猫の顔をした電車がやってきた。
『あっ、これってもしかして昨日ニュースでやっていた招き猫電車だ!』
私はキッチンで夕食を作りながら、TVのニュースの音声だけを聞いてその存在を知ってはいたものの、映像を見ていなかったため、『まさしく、これがそうだ!』とわかった時は
子供のように一気にテンションが上がってしまった。
その日は招き猫電車が運行して2日目とあってまだあまり知られていなかったせいか、その電車が三軒茶屋駅のホームに着いた時は、
たまたま次の電車を並んで待っていたお客さんらは見慣れない招き猫電車に驚いた様子で、みんな慌てて鞄から携帯を取り出し、一斉にパシャパシャ写真を撮り始めた。
その光景はかなり面白かったのだが、日本人ってほんとカワイイものが好きなんだなぁ~と、なんだかほのぼのとした気分になった。
あー、北朝鮮に生まれなくてホントによかった。

「福を招く招き猫電車」とは?
それは世田谷線の停車駅の中に「山下」という駅があり(小田急線で言うところの「豪徳寺」)、そこには招き猫発祥の地と言われる曹洞宗のお寺“豪徳寺”があるのだが、
このたび玉川線(世田谷線の前身)開通110周年を記念して、世田谷線とその豪徳寺とがコラボしてできた電車のことである。

偶然乗り合わせた招き猫電車だったが、Twitterとかにアップしたら世田谷線に興味持つ人もいるかなぁ~などという地元意識がちょこっとだけ働いて、
そーーっと(車内は昼過ぎにも関わらず大変混んでいた)周りに気づかれないように消音シャッターアプリを使って車内のつり革と床の写真を撮り、私にしては珍しく軽くツイートなんかしてみたのだった。


すると、その翌日あたりからか私の携帯がボンボンとひっきりなしに音を立てるようになった。どこか壊れでもしたのかとチェックしてみると、知らない人からの「リツイート」や「いいね!」がバンバン入ってきているではないか!
そう、その携帯のボンボンいう音はタイムラインでまさに今、私のつぶやきが知らない人から人へと拡散されていってる音だった。
前日に自分がツイートしたことなど、すっかり忘れていた私は
なんじゃこりゃ─っ!なんか怖いんですけど・・・と初めての体験にビビりまくったのは言うまでもない。
時間が経つごとにその数は増え、3日間夜中まで私の携帯はボンボンと音を出し続けた。
普段おとなしい私の携帯がはじめてこんなに働いている。
今更ながらTwitterって凄い!と実感した。そして少しだけこの慣れない状況が恐ろしくもあった。
何を隠そう、私はこれまでTwitterは見る専門。年に2,3回つぶやく程度で、Twitterではめったに人様とやりとりをしたことがない、いわゆるTwitterド素人。リツイートとリプライの違いも良くわかってなかったぐらいだ。

それにしてもTwitterの威力とは本当にスゴイ!あっという間に「リツイート」が550、
「いいね!」が776とみるみるうちに数字が増えていく。恐るべしTwitter!
中にはメッセージもいただいたりと、その3日間はドキドキの連続だった。
(いまだチビチビと増え続けている)
東京都のタウンネットにも私のTwitterが取り上げられているのを見てビックリ!
知らないところで私のつぶやきと写真が・・・凄い世の中だわ。
こんなことなら、もっとちゃんとした写真を撮っておけばよかったとも思ったが、
逆に携帯でラフにパシャっと撮った感じの写真が、Twitterにはライブ感があっていいのかもしれない。

Twitter上級者?の友人いわく「鉄(鉄道の事だと思う)とカワイイは破壊力あります」とのこと。
なるほど、確かに招き猫電車はその両方を備えている。だからだ!
大した数字ではないかもしれないけど、タレントさんや芸能人じゃないド素人のつぶやきにしては上出来のいいね!数じゃないか。
しかも、日本語が変なまま、どうせ知り合いしか見ないだろうと思って直しもしないままのツイート(つぶやき)に、800人近い人がいいね!を押してくれた。ホント恥ずかしい。
でもおかげで一瞬みんなに福をばらまいたような気分になれた。(笑)
この場を借りて「いいね!」をくださった皆様にはお礼を申し上げたい。

福を招く招き猫電車は、来年の3月まで三軒茶屋と下高井戸の間を運行。
本数が少なく、運行時間帯も限られているということから、興味のある方は事前に“招き猫電車専用時刻表”などのチェックをして行かれると良いだろう。
何とも言えないとぼけた顔の猫がきっとあなたを癒してくれるにちがいない。