“ともあれ私は存在する”




熱帯地方を歩きながら、「悲しき熱帯」という村上龍の本のタイトルがふと頭に浮かんだ。

かなり昔に読んで内容が全く思い出せないのだけど。

この本のタイトルに惹かれて買ったのに、もはや私の本棚のどこを探してもみつからない。

同じタイトルの本がある。人類学者レヴィ=ストロースが南米を旅した時の本で、こちらは途中で挫折したまま、いつか読むのかなぁ…(笑)。

終章部分の有名な一節を何かで知り、読んでみようという気になっただけ。

「世界は人間なしに始まったし、人間なしに終わるだろう…」ときて、「ともあれ私は存在する」ときたもんですから。

村上龍氏がこのレヴィ=ストロースの「悲しき熱帯」を読んでいたのは間違いないはず。

敢えて同じタイトルを付けたんじゃなきゃ、ただの偶然か?いや、きっと構造主義にまつわる話が小説の中に出てきたはず。

すぐに確かめたかったのに、あの本どこ行っちゃったんだろう…。